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糖質制限ダイエットとは

糖質制限ダイエットとは、その名の通り糖質の摂取量を制限するダイエット法のことです。

ただし「糖質」とは、砂糖を使った甘い物のことだけを指すのではありません。デンプンを始めとする糖類全てを含み、「炭水化物」とほぼ同義語。いわゆる「穀物」や「主食」と呼ばれるものはほとんどが含まれます。

私たち人間が生きていくのに必要な3大栄養素、「炭水化物」「脂質」「たんぱく質」
このうちのひとつである「炭水化物」の摂取を制限する方法なので、実行には正しい知識が必要なのです。

糖質制限ダイエットに興味があるけれど、イマイチやり方がよくわからない…はじめての方のために、わかりやすく解説していきます。

3大栄養素
炭水化物(糖質は炭水化物の中に多く含まれている)
脂質
タンパク質

chapter1 カロリーと栄養素についての基礎知識

1日に必要なカロリー

????kcal/1day

日常生活のなかで、外食する際や食品を購入する際、カロリーを気にする人も多いでしょう。似たような商品や、どちらを食べようか迷っているメニューが複数ある場合は、なんとなくカロリーが少ない方を選んだという経験がある人は少なくないのではないでしょうか。では私たちが生活していくにあたって、本当に必要なカロリーはどのくらいなのでしょうか。 「日本医師会」のサイトに、推定エネルギー(カロリー)必要量の算出方法が以下のように掲載されています。

1日の推定エネルギー必要量=A基礎代謝xB身体活動レベル

これは「二重標識水法」という公式ですが、それぞれの意味をさらに詳しく説明します。

A.基礎代謝量

「基礎代謝量」というのは、人間が生命維持をするのに必要な最低限のエネルギーです。具体的には、快適な場所で何もせずに安静にしている場合に消費するエネルギーということになります。その数値は、「基礎代謝基準値(年齢ごとに設定された一定の数値)」×「参照体重(年齢ごとに設定された平均的な体重)」によって求められます。

年齢・性別「(A)基礎代謝量」一覧
性別 男性 女性
年齢 基礎代謝
基準値
(kcal/kg体重/日)
参照体重
(kg)
基礎
代謝量
(kcal/日)
基礎代謝
基準値
(kcal/kg体重/日)
参照体重
(kg)
基礎
代謝量
(kcal/日)
1〜2 61.0 11.5 700 59.7 11.0 660
3〜5 54.8 16.5 900 52.2 16.1 840
6〜7 44.3 22.2 980 41.9 21.9 920
8〜9 40.8 28.0 1140 38.3 27.4 1050
10〜11 37.4 35.6 1330 34.8 36.3 1260
12〜14 31.0 49 1520 29.6 47.5 1410
15〜17 27.0 59.7 1610 25.3 51.9 1310
18〜29 24.0 63.2 1520 22.1 50.0 1110
30〜49 22.3 68.5 1530 21.7 53.1 1150
50〜69 21.5 65.3 1400 20.7 53.0 1100
70以上 21.5 60.0 1290 20.7 49.5 1020

この表を見ると、年齢を重ねるごとに「基礎代謝基準値」が劇的に減って行くのがよく分かります。成長期は身体が大きくなっていくので「参照体重」が増えて、結果的に「(A)基礎代謝量」は緩やかに増えていきますが、それでも「15〜17歳」をピークにその後は減っていきます。これに気が付かずに成長期の感覚でカロリーを摂取していると、仮に同じ運動量を維持してもカロリーの過剰摂取ということになるので注意が必要 です。

B.身体活動レベル

「身体活動レベル」というのは、日常生活での活動内容によって変わる、基礎代謝量に係数を掛けて調整するための指標です。

身体活動レベル一覧
レベルI 生活の大部分が座位で、静的な活動が中心の場合
レベル? 座位中心の仕事だが、職場内での移動や立位での作業・接客等、あるいは通勤・買物・家事、軽いスポーツ等のいずれかを含む場合
レベル? 移動や立位の多い仕事への従事者。あるいは、スポーツなど余暇における活発な運動習慣をもっている場合

上記のレベルと年齢に応じて、以下の表で身体活動レベルの数値を決定します。

年齢階級別にみた身体活動レベルの群分け(男女共通)
年齢 レベルI
(低い)
レベル?
(ふつう)
レベル?
(高い)
1〜2 -- 1.35 --
3〜5 -- 1.45 --
6〜7 1.35 1.55 1.75
8〜9 1.40 1.60 1.80
10〜11 1.45 1.65 1.85
12〜14 1.45 1.65 1.85
15〜17 1.55 1.75 1.95
18〜29 1.50 1.75 2.00
30〜49 1.50 1.75 2.00
50〜69 1.50 1.75 2.00
70以上 1.45 1.70 1.95

この表を見ると、年齢による差よりも身体活動レベルによる差の方が大きくなっています。特に思春期以降はほぼ一定なので、必要カロリーは前述の「(A)基礎代謝量」と生活の内容によって決まると言ってもいいでしょう。

具体的に計算してみると、例えば30代の女性で普通のオフィスで働く方ならば、

「(A)基礎代謝量」=「女性」「30〜49歳」なので「1150」
「(B)身体活動レベル」=「レベル?(ふつう)」「30〜49歳」なので「1.75」
→推定エネルギー必要量=1150×1.75=2012.5キロカロリーということになります。

30代女性・OLの場合
基礎代謝量 : 1150
身体活動レベル : レベル?(1.75)
推定エネルギー必要量 = 1150 x 1.75 = 2012.5kcal

ただし、上記の方法では「(A)基礎代謝量」が年齢で一律に決まっているので、少し不思議に思った方もいると思います。身長・体重・体型などによって実際の代謝の量は変わるので、理想のスタイルに合わせてエネルギー摂取量を調整する手法もあります。

例えば、前述の30代女性の身長が160cmであれば、最も病気になりにくいと言われている「BMI」(体重kgを身長mの2 乗で割った数値)が22になる体重、すなわち56.32kgを想定するのが一般的です。
※56.32÷(1.6×1.6)=22となる数値、逆に求めるには1.6×1.6×22=56.32と計算する

30歳で体重56.32kgの女性の「(A)基礎代謝量」は、21.7(「基礎代謝基準値」表の30-49歳の欄の数値)×56.32=「1222」なので、この場合は推定エネルギー必要量=1222×1.75=2138.5キロカロリーということになります。ただしこれがずっと家にいてほとんど動かない生活の人だと 「(B)身体活動レベル」=「レベル?(低い)」なので、推定エネルギー必要量=1222×1.5=1833キロカロリーです。

この数値は、基本的には現状の体型をそのまま維持するのに必要なエネルギーという意味ですが、理想の体型の維持に必要なエネルギーを摂取し続ければ、徐々にその体重に近づいていくという理屈になります。

こうして1日に必要なカロリー(エネルギー)が計算でき、それを超えた分が消費されずに身体に蓄積されるということになります。そして1日の摂取カロリーの50〜60%は炭水化物と言われているので、糖質制限をすれば必然的にカロリーを減らせるというのが単純な理屈です。

ただし、糖質制限ダイエットの本当の効果はこの部分ではありません。あくまでもこれは付加的な要素で、これとは別に2つの大きな要素が存在しますので、【chapter2:糖質制限ダイエットのメカニズム】で後述します。

栄養素の役割

  • 炭水化物
  • 脂質
  • タンパク質

3大栄養素や5大栄養素という言葉を聞いたことはあると思いますが、炭水化物はそのどれにも含まれています。人間にとって最も重要な栄養素と言っていいでしょう。

・炭水化物

炭水化物は白米、パン、小麦粉、めん類、芋類などに多く含まれています。

消化されてエネルギー源となる、最重要栄養素。「糖質」と「食物繊維」の総称ですが、体内で消化されてエネルギー源になるのは糖質だけなので、ほぼ「糖質」と同義語。糖質には、ご飯やパンなどの主成分である「デンプン」や、砂糖そのものである「ショ糖(蔗糖)」や、果物に含まれる「果糖」などがあります。

糖質は体内で消化・分解されてブドウ糖に変化し、吸収されます。その後血液を通して体内の各所へと運ばれ、脳や筋肉などの動力として広く活用されます。そして過剰になった分は「グリコーゲン」という物質として一旦貯蔵されて、その後必要に応じて再度ブドウ糖になってエネルギーとして活用されます。

即効性もあって、なおかつ貯蔵もできるので、糖質はエネルギー源としては極めて優秀ですが、しかし貯蔵の容量を超えた分は脂肪(中性脂肪)に変化して、体内に蓄積されてしまいます。これがいわゆる「体脂肪」で、これを燃焼するのはかなり難しい(優秀なエネルギー源である炭水化物の方が先に使われるため)ので、ダイエットで脂肪を減らすのが難しいのです。ちなみに炭水化物には、1gあたり4kcalのエネルギーがあります。

・タンパク質

タンパク質は肉類、魚介類、卵、豆類、乳製品などに多く含まれています。

生き物の身体を形づくる、重要な栄養素。筋肉・臓器・皮膚などあらゆる細胞の主成分であると同時に、体内で血液・ホルモン・酵素などの原料としても働きます。約20種類のアミノ酸が、多種多様に結合した化合物で、その構成によってさまざまな種類があります。アミノ酸は体内で合成できないので、中でも「必須アミノ酸」と呼ばれる10種類は食物から摂取する必要があり、これが不足すると様々な異常を来すことになります。

タンパク質、特に必須アミノ酸をバランス良く含む食物として、肉・魚・卵・豆類などが挙げられます。タンパク質が不足すると、体力や脳の働きの低下、貧血などに繋がるのでこれらの食物の摂取が必要です。しかし過剰に摂取すると、排出するためにカルシウムを大量に消費してしまうので骨粗鬆症になったりします。特に動物性タンパク質を過剰に摂るとコレステロールが高くなり、肥満や痛風など深刻な影響を招くことがあります。タンパク質は、1gあたり4kcalのエネルギーがあります。

・脂質

脂質は油脂、脂肪の多い肉、乳製品、ナッツ類などに多く含まれています。

体内のエネルギー源や一部ホルモンの原料、あるいは細胞膜の成分など、様々な働きをする栄養素。主に動物性脂肪に含まれる飽和脂肪酸と、植物性油脂に多く含まれる不飽和脂肪酸に分かれます。

飽和脂肪酸はバターやラードなど動物性脂肪に含まれ、人間の体内でも合成できるので、過剰摂取になりやすい物質です。しかも凝固温度が高いので体温でも固くなり、いわゆる「血液がドロドロ」の状態を作りやすくなります。これを摂り過ぎると血液の流れが悪くなって栄養や酵素の働きが悪くなり、更には心臓病や動脈硬化などに繋がることがあります。不飽和脂肪酸にはオレイン酸やリノール酸などがあり、悪玉コレステロールを減らしたり血液をサラサラにしたりと役に立つ働きをしますが、しかし高カロリーなので注意は必要です。

脂肪は、1gあたり9kcalのエネルギーがあります。質量あたりのエネルギーは炭水化物やタンパク質の2倍以上あるので、効率よくエネルギー摂取ができる代わりに、過剰摂取が問題になりやすい栄養素です。

 これら「3大栄養素」に、人体の機能を正常に保つのに必要な『ビタミン』と、体組成を助ける物質である『ミネラル』を加えたものを「5大栄養素」と呼びます。
 このなかでも最重要と言っていい「炭水化物」を制限するのが「糖質制限ダイエット」なので、完全に摂取を止めると弊害が起こります。実践には、正しい知識が必要となるのです。

chapter2 糖質制限ダイエットのメカニズム

前述の通り、炭水化物はエネルギー源として優秀なのでいわゆる「主食」と呼ばれるものはほとんどが該当します。一日の摂取カロリーの大半が炭水化物なので、その摂取を制限すればエネルギーの摂取を抑えることができるのは当然ですが…実は糖質制限が有効なダイエットに直結する理由は、これだけではありません。炭水化物を制限すればカロリーを抑えられるというのはあくまでも副次的なもので、これ以外にメインの「二大メカニズム」が存在するのです。
これをしっかり理解して、正しい糖質制限ダイエットを行いましょう。

脂肪の蓄積回避と燃焼

炭水化物 ⇒ 中性脂肪?

炭水化物 分解・蓄積

 前項で説明したように、炭水化物は最も重要なエネルギー源。そしてエネルギー源としてすぐに使われなかった分は、グリコーゲンとして肝臓に貯蔵できるという優れた性質を持っています。しかしこの貯蔵容量を超えて過剰摂取すると、中性脂肪に変化して身体の各部に蓄積されることになります。
 これはインスリンというホルモンの作用で、血糖値を上げすぎないようにブドウ糖を脂肪細胞内に取り込むのです。糖尿病などのリスクを減らすために必要な働きですが、中性脂肪が増えていくと、当然「太る」という体型の変化が生じます。
 糖質制限をすると、まずこの中性脂肪の蓄積を避けることができるのです。

 逆に炭水化物の摂取が一定より少ないと、脂質(脂肪)やタンパク質を糖に変換してエネルギー源として使おうという仕組みが発動します。このうち主にタンパク質から得られたアミノ酸を糖に変換することを「糖新生(とうしんせい)」と言います。脂肪は正確には糖にはなりませんが、主に脳のエネルギーとして糖の代わりとして利用できるケトン体に変換することができます。
 いずれにしても、炭水化物(糖質)の摂取が足りないと身体が脂肪やタンパク質を分解して補おうとするので、糖質制限をするとこれらが分解されやすい体質になります。この際に、タンパク質をしっかり摂取しながら脂質を取りすぎなければ、当然体脂肪が減少することになります。しかも炭水化物に比べて脂肪はエネルギー変換効率が劣るので、より多く消費されるというのが、ダイエットとして有効なメカニズムなのです。

血糖値の上下動の制御

血糖値

糖質制限をすると…、血糖値の上下幅が減る。空腹を感じにくくなる!

 通常の食生活では、炭水化物をエネルギー源として摂取し、消費するというのがメインとなります。このため食事のたびに血糖値が上がり、その後消費されて下がるという繰り返しで、下がった時に身体が「糖が足りない」とメッセージを発することになります。これが「空腹」状態で、簡単に言えば「低血糖時に糖を欲する」というのが食欲です。
 それが糖質制限をすると、血糖値の上下の幅が小さくなり、その変動の回数も減ることになります。

 そうなると身体が「足りない」と感じる幅が小さくなるので、「糖を欲する」度合いが減る、即ち「空腹」を感じる度合いが減るのです。お金に例えれば、一度上げた生活水準を下げるのは大変ですが、最初から贅沢を知らなければ不満も抱かない、といったところでしょうか。
 身体が糖が多い(血糖値が高い)状態を忘れれば、糖を欲することもなくなる(度合いが低くなる)、というのがダイエットとして重要なメカニズムなのです。

chapter3 糖質制限ダイエットの方法

適切な糖質の摂取量

糖質 ????g/1day

 糖質は、人間の身体にとっての最重要栄養素。特に脳や赤血球は糖分が唯一のエネルギーで、1日130〜150gを必要とします。基本的に炭水化物を食べることで摂取するのですが、人間の身体は糖新生(炭水化物以外からの糖生成)1日最大150g程度の糖分を作れると言われています。つまり食事は炭水化物抜きでも、身体に必要な糖分は賄える計算ですが、しかし全く摂取しないのも支障があるので注意が必要です。

炭水化物 50g〜100g/1day

 炭水化物を摂取せずに、糖新生で糖分を賄って脂肪分解を促進するのが「糖質制限ダイエット」の本質ですが、しかし糖新生はタンパク質も原料として使うので筋肉の分解をも促進してしまいます。炭水化物を全く摂取しないと身体からどんどん筋肉が落ちることとなり、基礎代謝も落ちるのでカロリー消費が減ってしまいますし、何よりもダイエットの目的であるはずの理想的な体型を作る部分が損なわれてしまいます。
 これを避けるために、プロテインなどでたんぱく質を補うのが有効な手段ですが、それ以前に炭水化物も一定量は摂取するように心掛けましょう。一般的には、1日50〜100g程度を摂取することが推奨されています。

食事法の原則

肉や魚はOK!?

 大原則としては、肉や魚でたんぱく質を積極的に摂取して、穀物(ご飯・パンなどの主食)やスイーツ・お菓子の摂取を極力抑える、ということになります。ヘルシーなイメージがある果物も、糖分が豊富なので糖質制限には大敵です。
 ポイントとしては、我慢して野菜サラダばかり食べる必要はない、ということ。もちろん脂肪も取りすぎない方がいいので、油を使いすぎないなど調理法には注意が必要ですが、肉・魚はむしろ積極的に食べてたんぱく質はしっかり摂取しましょう。たんぱく質は、サプリメントやプロテインで補うのも推奨です。
 そして、炭水化物(糖質)も全く摂らないのではなく、一定量は摂取するようにしましょう。人間が食べて「美味しい」と感じるものには基本的に糖質が含まれているものが多いので(最重要栄養素なので、人間の味覚や身体が自然に欲するようにできています)、摂取しないこと自体がストレスになってしまいます。食事という楽しみを放棄せず、ストレスを溜めないダイエットを心掛けましょう。

chapter4 具体的な摂取量と実行例

三大栄養素とカロリーの1日摂取量

炭水化物・脂質・タンパク質

 いきなり摂取カロリーを3割減らせ、と言われてもどうすればいいか分からないと思います。しかし炭水化物を「100g未満にする」というのを実施すれば、普通の人はカロリー摂取が3割程度減る計算になります。通常の食生活をしていると摂取カロリーの半分以上が炭水化物なので、これを3分の1にカットするだけで摂取カロリーは600〜900kcalほど減り、そのぶんたんぱく質を倍に増やしても全体のカロリーは3割減になる、という仕組みです。この際に脂肪も微減させるのがベストで、具体的には以下の表のようになります。

  炭水化物(糖質) 脂肪 たんぱく質
2,000kcal
摂取する場合の
一般的なモデルケース
各栄養素での
カロリーの摂取量
50〜60%
(1,000〜1,200kcal)
20〜30%
(400〜600kcal)
10〜30%
(200〜600kcal)
各栄養素の摂取量 250〜300g 40〜70g 50〜150g
1,600kcal
摂取する場合の
糖質制限ダイエット例
各栄養素での
カロリーの摂取量
15〜30%
(240〜480kcal)
20〜30%
(320〜480kcal)
40〜60%
(640〜960kcal)
各栄養素の摂取量 60〜120g 36〜53g 160〜240g
1,400kcal
摂取する場合の
糖質制限ダイエット例
各栄養素での
カロリーの摂取量
15〜30%
(210〜420kcal)
20〜30%
(280〜420kcal)
40〜60%
(560〜840kcal)
各栄養素の摂取量 53〜105g 31〜47g 140〜210g

カロリーより栄養素を重視

 カロリーを気にするというよりは、現状の食生活と目指す体型・体質を考えて、上記のようなバランスで各栄養素の摂取量をコントロールしていくのが基本となります。炭水化物(糖質)を制限すれば、自然と他の栄養素は理想の値に近付くので、炭水化物が少ない食材を選びメニューに慣れることが、第一歩であると同時に真髄となります。
 これからはコンビニやスーパーで惣菜を買う時も、カロリーより各栄養素の量を気にしましょう。

食材の炭水化物(糖質)量

炭水化物

 炭水化物(糖質)量を意識してメニューを選べば、特別な知識や料理の腕は必要ないのが「糖質制限ダイエット」のいいところです。しかし食材の大まかな糖質量、特に低糖質の食材を知っておくと、糖質量の明記がない外食も可能になり、より楽しんで食べながらダイエットができます。

 特にお勧めの食材は以下の通りです。

100gあたり カロリー 糖質(炭水化物) 脂肪 たんぱく質
牛ヒレ 133kcal 0.3g 4.8g 20.5g
牛ヒレ(カルビ) 371kcal 0.2g 32.9g 14.4g
豚ロース 263kcal 0.2g 19.2g 19.3g
豚バラ 386kcal 0.1g 34.6g 14.2g
鶏ムネ肉 191kcal 0.0g 11.6g 19.5g
鶏モモ肉 200kcal 0.0g 14.0g 16.2g
110kcal 0.1g 3.6g 18.0g
サバ 194kcal 0.3g 11.6g 19.9g
91kcal 0.2g 6.2g 7.4g
絹ごし豆腐 168kcal 6.0g 9.0g 14.7g
こんにゃく 21kcal 9.9g 0.3g 0.3g
タマネギ 65kcal 15.6g 0.2g 1.8g
トマト 31kcal 7.8g 0.2g 1.2g
ブロッコリー 41kcal 6.5g 0.6g 5.4g
しいたけ 6kcal 1.8g 0.1g 1.1g
エリンギ 12kcal 3.7g 0.3g 1.8g
焼酎 412kcal 0.0g 0.0g 0.0g

 これを見れば分かる通り、肉や魚は比較的自由に食べられます牛・豚・鶏全て低糖質ですが、そのなかでも脂肪が少なくたんぱく質が多い部位が特にオススメ。豚ならばバラよりもロース、鶏ならばモモよりもムネといった具合ですが、いずれも糖質(炭水化物)は極めて少ないので、トータルの栄養素量を考えて、好きなものを食べましょう。肉を我慢して豆腐やこんにゃくを食べるのはカロリーや脂肪量の点では有効ですが、糖質量の点では実は肉の方が少ないので、全体でコントロールできていれば無理に我慢する必要はありません。
 ただし注意すべきは、調理法。煮物は必ず砂糖を使うので、糖質が跳ね上がります。100gあたりの糖質(炭水化物)は、肉じゃが19.4g・金目鯛の煮付け10.1gといった具合になるので、基本は焼いたり蒸したりする方が安全です。

肉・魚は低糖質、注意すべきは調理法。

chapter5 一歩進んだ糖質制限ダイエット

人間が「太る」仕組み

炭水化物・脂質・タンパク質

 人間が栄養を過剰に摂取した場合、エネルギーとして消費されないぶんは、身体に蓄積されます。これが「太る」仕組みで、特に炭水化物は、グリコーゲンとして肝臓に貯蔵できる一定量を超えると中性脂肪に変化してしっかり身体に蓄積されるので、エネルギー源として優秀であると同時に”太る主原因”となります。逆に炭水化物の摂取が少ないと、体脂肪をエネルギー源として消費するので痩せる訳ですが、ただここでも食事で脂質を取りすぎているとそれを先に使うので、これまた体脂肪までは減りません。トクホ飲料のテレビCMでもよく目にする「糖と脂肪」ダイエットの大敵、という構図はこういうメカニズムなのですね。

 つまり「炭水化物(糖質)を極力減らし、脂肪(脂質)は控えめ、タンパク質多め」…という食生活が、痩せやすい基本形です。これを総称して「糖質制限ダイエット」と言うのです。

”チートデイ”で自分を甘やかす

cheat day

 「チート」とは、ズルやインチキという意味の英語。最近はネットゲーム内での不正行為や、ゲームバランスを崩すほどに強いパラメータを持ったキャラクターなどに対して使われることが多い言葉になっています。ネット上では、単純に並外れて上手いプレイヤーや、ガチャ(キャラクターを得るための抽選)で極端な幸運が続いた場合に対しても、「チート(みたい)だ」などと使われるので、目にしたことがある人も多いのではないでしょうか。

栄養素と1日の蓄積限界量

 糖質制限ダイエットにも「チート」という概念があります。それは、敢えて好きなものを好きなだけ食べる日、"チートデイ”を作るというもの。何がズルかというと、人間の身体は過剰摂取した栄養素を蓄積する量限界があるので、その限界量を超えたぶん体脂肪として残らない、ということなのです。
 単純に、一日の生活で使うエネルギーが2,000キロカロリーだとして、毎日2,100キロカロリー摂取するとどんどん太り続けて行きます。これに対して、週のうち月〜土曜に1,700キロカロリー、日曜日だけは4,500キロカロリー摂取すると、1週間トータルでは14,700キロカロリーで同じなのに、少しずつ痩せていく計算になります。これは、日曜日に必要カロリーの倍以上も摂取した栄養は限界量を超えているので全てが身体に蓄積されることはなく、そのぶん残り6日で痩せたぶんの方が多くなるから。分かりやすくカロリーについてだけ例を挙げましたが、もちろん糖質の量に関しても同じです。

チートデイなし : 毎日+100kcalなので少しずつ太る

チートデイあり : チートデイの超過分は蓄積されない、+毎日-300kcalなので少しずつ痩せる

 上記の数字はかなり極端な例ですが、基本は「週のうち5日以上は糖質制限・カロリー制限をして食材をしっかり吟味し、残りの1〜2日は好きなものを食べる」ということになります。これは痩せるメカニズムという意味だけでなく、精神的に「食べたいものをずっと我慢し続ける」というのがストレスになりやすいので、定期的に好きなものを食べて解放されるという意味合いが大きい方法。ご飯・パン・パスタ・粉もんなど、炭水化物のメニューが好きな人は糖質制限ダイエット自体を敬遠しがちですが、「好きなものは特定の曜日に楽しみにする」と決めれば、むしろそれを励みに頑張りやすいダイエットとなります。
 チートデイを上手く作って、頑張りすぎない・飽きない・食の楽しみを放棄しない、心身ともに健康的な「糖質制限ダイエット」をお勧めします。

ケトン体ダイエット

what's Ketone bodies?

 糖質の摂取を減らすと、脂肪が身体に蓄積されづらくなる、というのが糖質制限ダイエットの重要なメカニズム。糖質が足りない状態が続くと、更に段階が進んで、タンパク質や脂肪から糖やその代わりにエネルギーになる物質を作り出す、というのは前述しました。
 その際に人間の身体は脂肪からケトン体という物質を作り出すのですが、この「ケトン体生産」を促進する体質変化に特化したダイエットが、「ケトン体ダイエット」なのです。

糖質制限ダイエットとケトン体ダイエットにおける糖質摂取量の推移

 その方法は、「最初に極端な糖質制限を行い、徐々に糖質摂取を増やしていく」というもの。通常の糖質制限ダイエットは、糖質の摂取を100g程度までに抑えますが、「ケトン体ダイエット」最初の2週間は25g程度までに一気に抑えます。そこから1週間ごとに5gずつ増やしていき、4ヶ月ほど掛けて100g程度の通常の糖質制限ダイエット状態へと移行するのです。
 初期に急激に糖質が足りない状態を作り出すことにより、身体がSOSを出して脂肪分解の回路を発動させやすいようにして(この状態を「ケトーシス」と言います)、その後糖質の摂取を増やしても脂肪が分解されやすい/蓄積されにくい体質を作ります。これが「ケトン体ダイエット」です。

ケトン体ダイエットの糖質制限モデル
  糖質量 糖質で摂取するカロリー
1・2週目 25g 100キロカロリー
3週目 30g 120キロカロリー
4週目 35g 140キロカロリー
5週目 40g 160キロカロリー
6週目 45g 180キロカロリー
7週目 50g 200キロカロリー
8週目 55g 220キロカロリー
9週目 60g 240キロカロリー
10週目 65g 260キロカロリー
11週目 70g 280キロカロリー
12週目 75g 300キロカロリー
13週目 80g 320キロカロリー
14週目 85g 340キロカロリー
15週目 90g 360キロカロリー
16週目 95g 380キロカロリー
17週目 100g 400キロカロリー

 「ケトン体ダイエット」は通常の糖質制限ダイエットより、ワンランク上級で極端な手法なので、リスクはあります。
 ダイエット開始初期、ケトン体を生産する回路がしっかり働くようになるまでは、エネルギー不足でだるさを感じ、やる気が出なくなります。特に脳のエネルギーが不足するので、ボーっとして日常生活に支障が出る場合があります。そしてそれが上手く働き出した後は、ケトン体特有の甘酸っぱい匂いが体臭として発されることが多くなります。そして何よりも、いきなり極端な糖質制限を行うので、食べたいものを我慢するストレスが極めて大きくなります。
 このようにリスクが大きいダイエットですので、通常の食生活、特にやや過食気味の生活を送っている方が手を出すには少しハードルが高いかもしれません。あまりの難しさに途中でやめてしまうことも多い方法なので、ストレスで過食になってしまった場合、リバウンドも大きくなりがちです。また上手く行っても前述のように日常でボーっとしてしまうリスクもあるので、行う場合は長期休暇中に試すなど、周囲への影響などもしっかり考えて取り組みましょう。